日常

好爺のこと

東京造形大学 石賀直之

好爺
「職員室に後輩の若い先生3人が残って教材研究をしているとしようか。年長者の自分が先に帰る時に
なんて声をかけるかい?」

(ア)「お疲れ様、帰りに一杯飲んで帰って」と言いながら5000円渡す。
(イ)「お疲れ様、帰りにコーヒーでも飲んで帰って」と言いながら3000円渡す。

自分
「えーっと、ここは先輩なんで5000円渡しますかね」

好爺
「金額的には(イ)の方が少ないよね、しかし、もらった方が喜ぶのは(イ)なんだよ。なんでかわかるかい?」

自分
「いやぁ、5000円奮発したんですけどね、、」

好爺
「いいかい、5000円じゃあ3人飲めないだろ?そうすると後輩の3人はなんてケチな先輩なんだろうって思うんだよ。でも3000円渡してコーヒーでも飲んで帰りなさい、って言うとなんて太っ腹な先輩だと思うんだよ。いいかい、そういうのが大事なんだよ」

好爺は人の心の機微を感じとることの天才で、会うといろんな話をしてくれました。

好爺
「いいかい、同じビールでもその時その時の気持ちで味が変わるんだよ。」
好爺
「今日の天気だって寒いと思う人もいれば暑いと思う人もいるだろ。なのになんで学校はみんな同じ感じ方をしなさいって言うんだい?」

平田智久先生、これまでいろんなことを教えて下さってありがとうございました。児造研での実技講習や貴方の言葉、そして笑顔は造形教育の本質とは何かを教えてくださいました。むこうで久しぶりに石田先生と酒を酌み交わして下さい。

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