研修 過去の大会

44回大会(夏研) Dコース (絵、立体) 

動きの瞬間コレクション

筑波大学附属小学校 北川 智久

「動き」を素材にした題材は教科書でも扱われてきました。例えば、中学年では動物のダンスパーティのような表現や運動する人物の表現、高学年では座ったり寝そべったりした姿勢の土粘土の表現、芯材を入れた人物の表現などの題材などです。

 子どもたちに「動作化」させることが有効な手立てですが、どこかつくりものっぽいポーズになりがちで、「動き」のとらえは難しいと感じます。

今回は、「動き」に関する3(4)種類の実践を紹介します。これをどのように組み合わせるかは、子どもの実態と教師の判断によると思います。ひととおりご覧いただいたり体験していただいたりする中から、先生方自身にも感じ取っていただきたいと思います。

本コース関連資料のダウンロード『ぞうけいなかまリンク』

油粘土の立体(型抜き:型の例は、『ぞうけいなかまリンク』からダウンロードできます)でムーブマンを捉えます。ねんどくんは、クレイアニメにもつなげやすいのが長所ですが、ややダイナミックな動きは表しにくい性質もあります。「むずかしいな」と感じたところで粘土の活動をいったんストップ。

 なぞり絵です。実験的にやってみたら、思ったより楽しく学びがありました。タブレットPCで子どもの動きを撮影し、かっこいいところやおもしろいところでストップ。それをスクリーンショットして静止画にし、OPP袋(透明な袋)をかけて形をなぞります。自分の形、友だちの形をトレーシングペーパーになぞって構成します。輪郭あり・なし、塗りこみあり・なし、重ねあり・なしなどは、高学年ではなく3年生でも十分楽しめました。この活動で、「動きっておもしろい」ということに気づきます。私の実践では、ここで①のねんどくんに戻りました。4時間扱いで、①ねんどくん、②なぞり絵撮影中心、③なぞり絵構成中心、④ねんどくんです。①にくらべて④では、最初よりも動きに対するみえ方が変わった子どもの学びの様子が変化しました。
 ところが、動きに対する要求が高くなった子どもから、ねんどくんでは表しきれない動きがある(例:バレエなど関節を極端に開く動き)という意見が出たので③針金くんが生まれました。
 予定外の5時間目に③針金くん、6時間目は①ねんどくん、②なぞり絵、③針金くんの選択としました。

①ねんどんは、④クレイアニメへのつながりが容易です。それを念頭にして指導計画を立てた年もありました。今回は授業構造が複雑になりすぎるため、別の時期にクレイアニメに取り組みます。

iPadならば、ストップモーションスタジオ無料版が高機能です。ムービーでも保存できます。

Komakoma(無料)は機能が限られていますが、機能が少ない方が授業では扱いやすいよさもあります。音声にまでこり始めると余分な時間がかかるためです。インストールなしにオンラインでできるので、ChromeBookでも楽しめます。完成動画の書き出しはGifアニメです。

 今回は短い時間での紹介です。授業する先生や、学習する子どもたちのコベツサイテキとはなにかを考えながら、授業に落とし込んでみてはいかがでしょう。

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