つつんだかたち
東京造形大学 石賀 直之
足立区立足立小学校 薄井 淳
【つつむということ】
私たちは普段たくさんのものに囲まれて生活をしています。ものを“つつむ”とはどういうことでしょうか。つつんでいく行為の中で、凹凸感、大きさ、重さなど、ものの物質感を体全体で感じていきます。そしてその感じとった行為の軌跡が、つつまれた形状として浮かび上がってきます。それは私たちが普段よく知っているものではなく、意味や用途を失った“別の何か”となって現れます。“つつむ”という行為を通して、ものが見せる新たな一面を探していきましょう。
【ストレッチフィルム】
ストレッチフィルムは梱包材としてよく使用されるものです。今回は幅50cm、長さ300mのものを使いました。値段は透明で1000円前後、カラーで2000円前後です。30~40人学級なら10本程度は必要となりますが、一本300mもあるので、一度揃えれば数年は使用できると思います。
【中身の固定】
単体でつつんでもいいですが、組み合わせることもできます。机や椅子など大きなものを組み合わせるときは、崩れないように養生テープ等で固定した方がつつみやすく、安全です。
【コベツサイテキ】
個別最適な学びには適切な学習環境の設定が必要です。今回の題材設定では“何をつつむか”、“何でつつむか”を主に考えました。単純に梱包材や中身の種類を多くすれば、子どもはより個別最適な学びに向かうのでしょうか?授業のねらいに対して能動的に向かえるコベツサイテキの形を考えていきたいと思います。
【オンラインバージョン】
〈使うもの〉
・食品用ラップや小さなストレッチフィルム(ネット通販等では色付きもあります。)
・はさみ・マスキングテープ・つつみたいもの
〈オンラインの活動内容〉
1.つつみたいものをマスキングテープ等で組み合わせます。
2.ラップやフィルムでつつんでいきます。
3.つつんだかたちを楽しみます。
【おまけ】
使用後のラップやフィルムは様々な活動に再利用できます。
形をつくって、ラップやフィルムで巻いたり、テープでとめたりすると立体作品ができます。また、ラップやフィルムは多少しわくちゃでもガラスに貼りつくので、窓に貼って光を通して楽しむこともできます。
「片付けたあとは捨てずにとっておくよ」と一言言うだけでも、子どもの環境に対する意識づけやものを大切にする心を育てることができると思います。