日常 研修 造形論

指導と評価はいつでもセットで(の基本を大事に!)

 柏第二小学校 中條範子

秋になると校内や公開授業研が多く行われ、お互いに授業を見合う機会が増えます。展開する教科は国語や算数が多い中ですが、今シーズンは図工の授業にすでに2本出会うことができ、11月末にも展開される予定があるなど、専科のいない公立学校においてはかなりの当たり年かも!?と思っています。

授業後のリフレクションで「評価は・・・?」という質問がなかったのですが、あえて「皆さん図工の評価についてはいかがでしょう?」と投げかけてみました。目をそらす方、それな!と視線を送ってくる方がいらっしゃいました。

 指導案を見直してみると、本時の展開の途中にははっきりと評価するタイミングと方法が書かれているのです。おそらく、各学校にある指導書や「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料(国立教育政策研究所)をもとに指導案を作成しており、それに倣っているのだろうと思います。ですから評価のベースは、指導案作成時に設定した目標・評価基準・本時の展開・手だてに沿って授業展開をし、書かれているタイミングと方法で評価をすればよい、ということなのです。

題材を設定する中で、〇〇ができるように材料をセッティングしておこう、互いに見て考え方を広げられるように□□をしよう、など、授業を行う前に子供たちが何かをできる(している)状況を生み出すために、先生方は必ず考えて展開をしています。それを踏まえて、この指導のねらい通り子供が取り組めていたかどうかを見取ればよいのです。そして、それは、授業研の場合、指導案にはっきりと自身で書いているものです。後から評価をどうしようと焦るのではなく、「どう展開していこうか」と考えているとき、すでに評価のポイントを無意識に先生方は考えている、と言えます。

あとは、自分で設定した評価を粛々と行う。私は、活動途中の子供の写真撮影を行うことと座席表を手に持って記録(メモ)することが多かったです。また、子供たちが作っている途中の思いや悩んでいることなどを聞いていました。(評価の方法については、私よりも他のメンバーの先生方の方がよい方法をご存じかと思います 汗)

活動途中の写真は、個人面談で保護者にも見せています。保護者にとっては、出来上がった作品しか目にしませんので、「あの工作はこういう過程を経ている」ということを知らせる機会にもなります。出来上がった作品を持ってポーズを決める写真ではなく、子供が集中して取り組む姿や、過去にトラブルになっていた友達と作品を見合っている姿をあえて提示することは、題材の説明や学級経営、生徒指導のフォローにもなります。本校では、図工だけでなくほかの教科も同様の考え方で先生方にお話ししています。学期初めには保護者に対して、学習の予定だけでなく、どういう学習でどう評価するのかについて全校に配布しています。授業をする先生方も見通しをもって取り組めますし、保護者も評価基準を理解して子供の様子を見取ることができているように思っています。

話は逸れましたが、子供たちにどのような力をこの題材で身に付けさせていくのか、について授業前に考えていることが、すでに評価のポイントとなっているのです。「指導」と「評価」が常にセットになることを踏まえ、難しいものとしてとらえず、題材設定からぜひ考えていきたいところです。

おすすめ