月例研 研修 造形論

実践を語り合う楽しさ

東京造形大学 石賀直之

 9月月例研の実践発表でいくつかメッセージをいただいたので紹介させていただきます。僻地勤務経験のある方、幼稚園教諭、図工専科の方の順です。

「石賀先生の実践発表は新島での仕事を思い出しながら傾聴していました。

新島では、素朴で郷土愛が強い生徒が多く居ました。しかし、新島の生活はみんなスマートフォンを所持していたり、サブスクリプションでドラマやアニメを観たりしています。なので、生徒は、郷土愛と共に生活は他の都会とあまり変わらない価値観も持ち合わせていました。もちろんこれは地方と都会の生活水準の差を埋めるという点では重要な事だと思います。

しかし、生活している環境や人口、交通の在り方は全く違います。児童やまたそれまでの段階から空間や環境の特性を活かしたり、周りの人を引き込むような工夫をしたりすることが大切だという事を強く認識しました。」

「沢山得たことや感想はありますが、あまりにも、全てが幼稚園の子ども達を見ているようだったのでそのことを。

写真から漂う雰囲気が幼稚園の子どもととても似ています。高学年ですし全然話す内容は違いますが、幼児クラスの子どもかなと思ってしまいました。特に2年生が乱入して、廊下をかけていったかと思ったら10人くらい連れて来るエピソードは画面のこちらで笑ってしまいました。考えること自体が楽しい、場を作る楽しさ、自分で操作し何度でもやり直せて、変化していく様、どんどん湧き起こっていく様子は間違いなんて何もないという感じでした。乳幼児保育の頃から大切にしたいということが小学生の遊ぶ様子を見て再認識することができました。」

「社会性がテーマとしてあるかな。と思いながら見ておりました。ゴムの造形遊びの方でも、町づくりと同じ、という話がありましたし、また、ここから先中国でも、粘土を介した言語によらないコミュニケーション、という話がありました。それぞれ性質は違うと思いますが、人とかかわったり、場所と関わったりする間に材料が入ってくる、そこが図工的な特性!ということだと思いました。」

それぞれのお立場で児童の造形表現に思いを馳せていただきとてもうれしいです。実践は皆さんと共有して新たな価値を生み出すのだなと感じました。ありがとうございました。

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