転がる つながる どうなる?
足立区立足立小学校 薄井 淳
【転がる魅力】
ビー玉を転がす遊びはどの学年でも子どもたちを夢中にさせます。そしてビー玉を転がしていると、誰からともなくあのメロディーを口ずさみはじめます。「タラッタラッタラッタラッ…ピタッゴラッスイッチ!」そう、みんな大好き、NHKの「ピタゴラスイッチ」です。ビー玉を転がすことや、「ピタゴラスイッチ」のように仕掛けをつなげていくことは、どうしてこんなにも子どもたちを惹きつけるのでしょうか。
【様々な転がす遊び】
ビー玉などを転がして遊ぶ題材は、個人で厚紙などを基底材にコースをつくる題材や共同で机や椅子を土台にコースをつくる題材、釘打ちなどのコリントゲームのような題材など、様々にあります。“転がる”という自然現象に自分のイメージを重ね、実際の転がり方をうまく調節しながら達成しようとしていくことが、これらの題材の魅力の一つとなっているのではないでしょうか。
その中で、高学年にもなると転がすだけではなく、ビー玉を木切れに当ててドミノのように倒したり、紙コップに落として弾ませたり、糸を使ってロープウェーのようなものを考えたりと、様々な材料を駆使し、様々な動きを取り入れようとしていきます。それは、周囲のものに対する新たな可能性の探求であり、発達段階において、自己の世界を拡張していく行為でもあります。
【つながる仕掛け】
・トランポリン
・ロープウェー
・ドミノ
身近にあるものを使って、面白く転がったり、つながったりする仕掛けを考えていきます。造形的な見方・考え方を発揮し、様々なものを新たな視点で捉え直し、能動的に働きかけながら、普段とは違った自分なりの使い方を見つけていきます。
【ICTの活用】
ドミノなどの仕組みを挟むと、一度転がしたら、再びセットするのに時間がかかり、転がる瞬間をみんなで見合うことはなかなか難しくなります。そこでタブレットなどのICTを使うと、自分の見せたい瞬間を動画で撮影し、共有フォルダに保存することで、いつでも誰でも見ることができます。
また、最終的な成功場面だけでなく、失敗場面や途中経過も含めて動画で撮りためておくと、その制作プロセスを振り返ってみることができ、そのときどう考え、調節し、付け加えたかなど、それぞれの学びを可視化することができます。
“転がるビー玉”や“つながる仕掛け”が、なぜ子どもにとってこんなにも魅力的なのかを体験しながら考え、子どもの能動的な造形欲求を引き出すヒントを一緒に探っていきましょう!