研修 過去の大会

45回大会(夏研)授業提案:低学年児童

手触りから? 音から? 形の変化から?

椎橋げんき(白百合女子大学)

◆乳幼児教育の学びの視点

 乳幼児教育の学びは遊びを軸としています。遊びは子ども自らがさまざまな環境に触れ、感じて、思考を巡らせ、身体を使い深めていきます。この子どもの姿から保育者はその子一人一人の育ちに合わせた環境を構成し、遊びの発展を援助していきます。

 一方で、従来型の一斉課題製作を行っている園も多く存在します。一斉課題は保育者が課題を設定し、それができたように見える成果物が求められます。つまり、途中の子どもの気付きや心の揺れ、興味関心の移ろいの余地はありません。子ども主体的な学びとは何か、を考えなければならない活動と言えます。

◆「布」を使って

今回の授業提案では布を使い、布で遊ぶ児童の姿を幼児教育における「遊びの見取り」で展開し、全体会①の話題提供とさせていただきます。

◆乳幼児期の子どもたちの中から生まれる「やってみたい」思い

・図1:普段、保育者の目を盗んでカーテンに隠れたり、包まれてみたりしている姿から「やってみたい」気持ちを汲み取り、好きなだけできるように保育環境を設定。(1歳児クラスの保育室内)

・図2:滑りにくく作られている山型の遊具に布を敷いて座って滑ってみたくなった。

・図3:ジャングルジムのてっぺんに広げた布を被せたくなってやってみたら、横も巻きたくなって、中に入ってみたくなって、隙間から顔を出したくなって、友達を関わりたくなった。(図2図3ともにクラス混合での園庭遊びの風景)

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