成城学園初等学校 粟津謙吾
Cコースでは「カッターナイフの発展的な題材」を提案しました。
カッターナイフを学習したあとの教科書題材といえば、「窓を開く」ことで建物につなげるなど、くり抜きの特徴を生かしたものが多いと思います。私自身もこれまで、そうした発展題材を授業で行ってきました。
でも…「もっと子どもたちがワクワクしながらカッターの技能を活用できる題材はないかな?」と考えたのが出発点です。
授業の概要としては、大きめ段ボールで作った暗室の中に、小さなLEDライトを置く。


そこに子どもたちが「切り抜いた形」を持っていき、光にかざすと……。
「思った通り!」という喜びや、
「あれ、こんなふうに映るんだ」という驚き。
そこから「じゃあ次はこうしてみよう!」と、切ってはかざし、切ってはかざし…探究的に広がっていきます。
このリズムこそがこの題材の面白さだと考えています。

夏研当日は30名近い方にご参加いただき、ちょっと活動スペースが手狭になってしまったかもしれません。ご参加いただいた皆様にはご不便をおかけしました。
一方で「鑑賞」を大切にしたいこの題材では、多くの方の表現に触れられるのも大きな学びであることが再確認できました。
お子さんと一緒に取り組んでいただいた方も多く、子どもたちが次々に探求的にカッターナイフを使う姿には驚かされっぱなしでした。参加してくれた子どもたちもありがとう!


実はこの題材、暗室の中で起きていることがとてもドラマチックなんです。
光にかざされた形が動き、向きを変え、次々と試されていく光景は本当に美しいと思っています。
そこで、ゴープロやスマホの広角撮影を使って暗室内をリアルタイムで共有しました。暗室待ちの間も、他の人の表現を鑑賞できる仕組みです。
もちろん、動画として撮影しておくことで、後から共有することもできます。


最後に
この題材は、ただ「技能を学ぶ」だけで終わりません。
切り抜きの技術を活用し、自分から問いを立て、想像を広げる。
そんな「つくる」と「みる」が往復する学びを実感できる時間でした。
参加者の方からも以下のような振り返りをいただきました。大変励みになります。ありがとうございます。

カッターの活用方法を体験。切り取った穴に光を通して鑑賞すると、切取る形や切り方、さらに暗い箱の中で紙を動かして映し方を変えて、色々な見方ができました。切った形が「鳥に見えた!」「プラネタリウムみたいに星が動くよ!」と、そして「もっと色々な形を見つけたい、カッターで切りたい!」と娘もカッターを夢中になって使っていました。上映しながら鑑賞できるのは、ワクワク感が倍増して、切り方の幅も広がりとても良い素敵な方法ですね。安全上のコツや伝え方も教えて頂きとても勉強になりました。
ぜひ、みなさんの現場でも試していただき、その体験をまた共有していただければ嬉しいです。
