練馬区立豊玉第二小学校 河村 泰正
薄い不織布を使って、高学年の空間表現を行いました。
風や光、場所の空間変化の様子など空間のよさや面白さを味わう活動です。
今回は、180cm×30mの農業用の不織布を電動糸のこぎりで30cmに切ったものを使いました。1人1本〜2本使用しました。
「不織布って切れるんですか?」とご質問いただきましたが、電動糸のこぎりで簡単に切れます。その際、不織布を少しずつ前に回しながら切ると切りやすいです。
①活動について
導入で材料の特徴を味わう方法として、実際にお子様と一緒に授業の導入をしました。
「さらさらする。」「ふわふわする。」「冷たい感じ。」「柔らかい。」「薄い白色の感じ。」など子どもと材料の特徴を味わいました。
そして、実際に場所に貼り、どんな方向にのばしていくのかを話して活動開始です。
活動後は写真や動画などを撮り鑑賞活動をしました。
子どもが思わず中に入ったり、遊び場に見立てたり、大人も造形的な美しさだけでなく、フォトスペースに見立てたりと自分なりの「いい感じ」の空間表現をすることができていました。


②活動場所について
今回は、図工室、図工室前の廊下や階段、中庭などで活動をしました。活動選びのポイントとしては、図工室のように天井付近の高さを生かせることや廊下のような狭さがあること、階段のように光がさしこむことだと思います。また、不織布は自然との相性がよく、風で揺れ動く感じや光が透過するあ感じを味わえるため、外でやることも考えられます。子どもと授業でやる時は、安全管理のため、外か中の活動かを選ぶといいと思います。
③活動の工夫について
活動場所はバラバラでも、材料をあえて活動場所の中央付近(今回は図工室)におくと、材料や用具を取りに行き来する過程で、自然と何度も他の活動を鑑賞することにもつながります。授業では、まずは何から活動しようか迷いのある子どもがいることもありますが、子ども同士で自然と鑑賞しながら会話をする場面も出てきて、迷いがなくなったり、その後の自分の表現に生かしている様子も見えて効果的です。
また、不織布は透過性があるため、図工室の電気を消して活動することも材料の特徴を味わわせるために効果的です。


【材料のその後の取り扱いについて】
不織布の造形遊びのその後の扱いとして、そのまま巻いてもう1回使用できることや他題材(「どろどろカッチン」、絵の上にレイヤー的に表すなど)で活用できること、展覧会などでの共同の活動でも生かせることを共有しました。使い方にもよりますが、1度不織布を購入すれば、5年程度は使用できます。
また、私から高学年の題材として、10題材ほど実践紹介をさせていただきました。私自身も、「高学年の造形遊びって何をどうすればいいんだろう?」から始まり、今もすごく悩みますが、あまり難しく考えず、まずはやってみることで、内容や方法などの改善は後からついてくるようにも感じます。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

