横浜国立大学附属鎌倉小学校 斉藤洋介
竹早小の子どもたちに授業の様に題材を紹介します。
「今日はね、紙コップをつかうよ。」
「知ってるー!」や「この間遊んだよ!」と子どもの反応が返ってくるのは嬉しいですね。
その紙コップの下に、ちょうどよいサイズのライトを当ててみると、紙コップに明かりが灯ります。
「わー、なんかいいかんじー!」
もっと重ねてみたらどうなるかな。明かりの感じは変わるかな。
早速イメージを膨らませる子どもたちとは対象に、保護者のみなさまは「どうなるんだろう」と楽しみとちょっとだけ心配そうな表情をしていたなと感じました。
さっそく、イメージを紙コップに水性ペンで表していく子どもたち。
少し描いてはライトで灯し、そのよさを感じ取りながら制作していきます。

「違う紙コップを重ねると、透けるね!」
「魚を描いた紙コップを重ねて、海で泳いでいる様子にしようかな。」
描き、灯し、そして描き、時に重ね、子どもたちの活動は止まることを知りません。この「つくり、つくりかえ、つくる」の連続した活動がこの題材の魅力でもあります。
「次はどうしようかな」
違う紙コップに取り掛かれるのもよいところです。新しいストーリーをつくり出す子どもの目は輝き、没頭する様子が見られました。
初めは様子を見ていた大人のみなさんも動き始めます。子どもの豊かな発想を見守り、思わず口を出したくなるのを我慢して(くれて)いましたが、次第にご自身で制作を始めます。


没頭し始めると話す必要はありません。ときより聞こえる歓声に引き寄せられ、テーブルに集まる人たちの感性が働き始めます。
「ええーこうしたのー!」
と、驚きの声も聞こえます。それこそ、その子のイメージが表れた紙コップに灯るストーリーは1つではありません。さらに、違う子が制作した紙コップを重ね始めると、そこにはカオスな状況が生まれます。
「お話がぐちゃぐちゃになっちゃうよー!」
「違うよこうしようよ!」
と、一瞬で新しいストーリーが生まれます。
まるで、映画「トイストーリー3」のホームビデオの回想シーンのようです。
幼いアンディは、おもちゃでごっこ遊びをしている最中に来た妹のモリーを「宇宙から来た巨大な赤ちゃん」として設定に組み込み遊び続けます。
この瞬間の「間(あわい)」こそ、造形のもつよさだと改めて感じました。
誰かや何かにレールを敷き切られていない環境で目を輝かせる子どもたちの姿を、大人のみなさまが見守る不思議な環境で、共に見られたのは嬉しく思います。
紙コップが手元に溢れ始めると、積み重ね始めた子がいました。
たくさんあると、重ねたり並べたりしたくなるよね。
部屋をより暗くして、下や横から強い光源を当てたらどんな透け方をするか想像してしまいました。
昨年度の夏研Aコース、清水先生の「〇〇でつくった形がキャンバスに!?」にもつながるかもしれません。
(https://zizoken.com/art-44/)
今年度の夏研では、Aコース「紙コップに灯るストーリー」を担当させていただきました。
また、みなさまと楽しい時間を過ごせるのを楽しみにしています。
最後に、参加された子どもがつくり出したストーリーです。
みなさんはどのようなストーリーだと感じますか?





